私、被災しました。 vol.195

  • 2019.11.08 Friday
  • 16:37

JUGEMテーマ:エッセイ

 

千葉県北東部に住んでいる私は、

この秋、台風15号で被災した。

私自身に怪我はなかったものの

家屋は一部損壊してしまったのだった。

 

屋根瓦が何枚か吹き飛び、

そのうちの一枚がベランダの床を貫通して穴が開き、

家をぐるりと取り囲んでいるブロック塀は

最大瞬間風速50m以上の風に煽られて数か所が崩れ、

庭木も何本か倒れてしまった。

 

私は生れて初めて台風を怖いと思ったのだった。

 

しかし同じ町内には倒木で家が押し潰されたり、

家の壁を風に丸ごと持っていかれたお宅もあったのだから、

我が家の被害はまだまだ軽い方だと言える。

 

最も深刻なのは辺り一帯の農家だった。

何カ月も手塩にかけて育ててきた収穫間際の落花生や里芋が

強風に根こそぎ倒された挙句、滝のような大雨に打ちつけられて

一瞬で水没してしまったのである。

 

この地球上で一番力を持っているのは自然なのだ。

そのことをすっかり忘れて生きている私たち人間に、

もしかしたら神様が喝を入れたのかもしれない。

それくらい自然の猛威は恐ろしかった。

 

しかし自然の猛威はそれだけでは終わらなったのである。

史上最大級の台風は数えきれないほどの電柱までもなぎ倒し、

千葉県を中心に最大64万軒にも及ぶ大規模停電を引き起こしたのだった。

私たちは文明の利器まで取り上げられてしまったのである。

 

こうして我が町は9月9日午前2時頃から9月18日午後8時半まで、

11日間に渡る停電生活を送ることになったのだ。

いいや、それだけではない。

我が町の水道は各家庭ごとに地下水を電動ポンプで汲み上げる仕組みなので、

悲しき哉、停電と同時に断水までしてしまったのである。

 

日暮れと共に懐中電灯の薄明りの中で過ごし、

停電から二日後に設置された給水所で配給されたお水を温めて、

シャワー代わりに浴びる生活だ。

 

そんな日々の中で肉体的に一番きつかったのは

台風通過後の3日間だった。

フェーン現象と相まって36度〜37度の暑さが続き、

夜も30度を超えたままだったから、

クーラーも扇風機もない地獄のような蒸し暑さの中で、

たくさんの人が熱中症で救急搬送されたのだった。

 

そして精神的に最も辛かったことは、

停電後5日間は食料がまともに手に入らなかったことである。

商店のほとんどが台風で被災した上に停電で店を開けられず、

多くの人が食料や生活必需品、ガソリンを探し求めてパニック状態となり、

信号機が作動しない道路では事故が多発した。

 

「被災するってこういうことなんだ・・・」

 

私は当然のように目の前にあった日常が消えたことを実感して、

ようやく自分が被災したことを理解したのだった。

 

日常を失うということはとてつもなく不自由で、

先を見通せない不安が胸いっぱいに広がる。

被災者はまさか自分がこうなるなんて

夢にも思っていなかったから、

未経験の事態に強烈なダメージを受けてしまうのだ。

 

幸い私は台風被害を受けずに済んだ遠方のツイッター仲間たちが

食べ物や飲み物、健康グッズ、モバイルバッテリー、

それにネコのご飯やトイレの砂までお送り下さったので、

どうにか踏ん張ることができたし、死ぬほど励まされもした。

 

私はその時の有難みを決して忘れはしない。

 

千葉はその後も台風19号や10月下旬の記録的大雨によって

再三甚大な被害を受けてしまったけれど、

この経験が糧となり今後も押し寄せてくるであろう自然災害を

うまく乗り越えられる知恵と覚悟がついた気がする。

 

地球温暖化が予想をはるかに超えるスピードで進んでいる今、

熱せられた海水は一年を通じてスーパー台風を発生させ、

その中心気圧は少なからず大地にも影響を与え、

地震や噴火を誘引することにもなろう。

 

つまり地球上どこにいても、

前代未聞の自然災害に遭遇する確率は極めて高いということを、

私は今回の経験で身をもって知ることができたのだ。

 

だからこそ今改めて思うのは、

私たち一人一人が地球の負担を少しでも減らすべく、

地球資源を大切にする、ゴミをなるべく出さない、

自然環境に配慮した素材を使う等を心掛けることが大切だということ。

 

そしていざという時のために自分で自分の身を守る覚悟を持つこと。

最低でも一週間は自力で生きていけるだけの

水と食料と知恵を用意し、

商品在庫が豊富な今のうちにブルーシートや養生テープ、

折り畳み式のウォータータンク(容量20ℓ)等を購入しておくこと。

 

大災害に見舞われたら助けなんかすぐには来ないだろうし、

食料や飲料水も3日経てば行政が必ず支給してくれる保証はないのだ。

そんな時は自分の持ち物と知恵を駆使して生き延びるよりほかないのである。

 

災害時に私が神アイテムだと思った一つが

ペットシーツ(紙オムツでも可)である。

窓枠から侵入する横殴りの雨や天井からの雨漏りを

素早くキャッチしてくれただけでなく、

簡易トイレにもなる優れものだったからだ。

ツイッター仲間に教えてもらった通りに

ビニール袋にペットシーツを2枚を敷いて実行してみたところ、

充分すぎるくらい簡易トイレの役目を果たしてくれたのである。

しかも市販の簡易トイレよりも遥かにコスパが良い!

 

私たち現代人はすっかり文明の利器バカと化してしまったけれど、

こうして様々な知恵を出し合うことで、

どんな困難にも立ち向かうことができる生きものでもあるのだ。

 

いざという時の「いざ」が来ないことが一番だけれど、

「いざ」はいつか必ずやって来る、そう実感した私は、

「さぁ、次はあなたの番ですよ!」

とすべての人に注意喚起したいのだ。

 

だからと言って必要以上に恐れることなく、

インチキな予言に翻弄されることもなく、

いざという時に慌てないようにしっかりと準備をして、

心を強く持って生きましょうと伝えたいのだ。

 

何でもかんでもポイポイ捨てずに、

自然をちゃんとリスペクトして、

生きる場所があることに感謝して。

何が何でも生きるんだ!と

意を決して生き抜きましょう。

 

この星があるから今日も笑うことができて、

この星があるから明日が来ることを当たり前だと思えて、

そんな愛しい地球にもっともっと感謝して、

今日も明日も精一杯生き抜きましょう。

 

ありがとう、ありがとう。

私たちの大切な地球。

ありがとう、ありがとう、

生きる機会を与えてくれて。

 

私は被災したおかげで、

たくさんのことに気づくことができのだった。

 

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