サクラ、サクサク vol.137

  • 2017.04.08 Saturday
  • 17:32

JUGEMテーマ:エッセイ

 

毎年桜が開花するたびに、

 

「あー、日本人に生まれてよかったなぁ。」

 

としみじみ思う。一つの花を国民総出で、

これほど愛でる国は他にあるだろうか。

 

桜の美しさもさることながら、

私はこの時期の日本の雰囲気が大好きだ。

どこもかしこも桜の話題に花が咲き、

日本中が桜を真ん中にして一つに繋がっている。

桜と共に歩んだ人生に、まるで里帰りでもするかのように。

 

小学校入学式の写真には、着物を着た母親と私と、

その頭上には満開の桜が写っている。

恐らくこの構図の写真は、

どこの家庭にも一枚はあるだろう。

 

私たちが生まれた時からずっと、

桜は日本のあちらこちらで、

それぞれの成長を見つめてくれている。

街や人々がどんなに変わっても、桜だけは移ろわない。

 

そんな桜だからこそ、毎年会いたくなるのだろう。

満開の木の下には、幼い頃のすべてが揃っている。

 

 

見頃を迎えた今この季節、

私は近所の桜に挨拶をして回る。

たった10日で散る花びらのために、

桜が過ごした355日を知っているから。

この時のために355日かけて、桜が一生懸命生きてきたから。

 

「とってもきれいだよ。今年も咲いてくれてありがとうね。」

 

すると桜の花々は嬉しそうに、風に揺られて言葉を返す。

 

「私も咲けて嬉しいよ。」

 

そして、桜色を一枚一枚、風に散らして、

その美しさを永遠に閉じ込めるのだ。

 

それはまるで人の生き様のようで、

私の心にずしりと響く。

 

 

 

・・・つづく・・・

 

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