蜂と私の奇妙な関係 vol.145

  • 2017.05.20 Saturday
  • 22:45

JUGEMテーマ:エッセイ

 

私はハチに愛されやすい。どういうわけだか寄ってくる。

いろんな種類のハチたちが、代わる代わる私を取り囲むのだ。

だからと言って決して刺そうとしているわけではなくて、

たとえば今朝の西洋ミツバチは、

1時間以上私にへばりついた後で、ふっとどこかへ消えてしまった。

 

こんな調子だから、

ハチについてのエピソードはごまんとあって、

今日はその中からアシナガバチが私にくれた、

貴重なお薬についてお伝えしようと思う。

 

ハチの中でも特に私に情熱的な、

長い足をブラーンとぶら下げたアシナガバチ。

彼らはかれこれ4〜5年前から、

我が家で越冬するようになっていた。

 

毎年10月の終わり頃になると、

決まってアシナガバチはやって来るのだ。

第一陣、第二陣、各十数匹ずつに分かれて到着すると、

一塊となって、我が家の2階の一室で、

静かに冬を越すのである。

 

最初の年はそれはもう大パニックで外に追い出したけれど、

それでもハチは毎年やって来るから、

そのうち私も根負けして、

遂には越冬基地として、一部屋を提供することになったのだ。

それに、どのみち女王蜂以外は冬を越せないのである。

それがアシナガバチの悲しい運命なのだ。

 

なーんてことを言っていたら、暖冬のせいなのか、

この春は、な、な、なんと、

8匹ほど(ハチだけに)が生き延びたのである。

こんなことは初めてだった。

3月下旬から4月上旬にかけて、

全滅したと思っていたハチたちが、

順次部屋のどこからかヨタヨタと姿を現し、

力を振り絞るようにして、

桜花の世へと飛び立って行ったのだ。すごい!

 

しかし残念ながら、

窓辺まで来て力尽きてしまったハチたちもいて、

私はその姿を見つけるたびに、

「よく頑張ったね。偉かったね。」と一声かけて、

庭の片隅に埋めていたのだ。

 

そして、あの時もそうだった。

ハチ越冬部屋に掃除機をかけようと中へ入ったら、

アシナガバチが1匹、床に転がっていたのである。

触ってもピクリとも動かないので、

私はもう亡くなっているのだろうと思った。

けれど万が一生きていたら大変申し訳ないので、

いつものようにハチを机の上にそっと置いて、

半日様子を見ることにしたのだった。

 

そして夕方近くになり、ハチの様子を見に行くと、

さっき私が置いたままの姿勢で、静かに横たわっていたのである。

ハチの死を確信した私は、そのまま左手でふんわり包むと、

「よく頑張ったね!」と声を掛けながら階段を下り、

サンダルを履いて庭に出たのだった。

そして埋める場所を探そうとしたその時に突然、

 

チックーーーーーーーン!!

 

と左手に激痛が走ったのである。

私の体は咄嗟に反応し、手のひらを広げて手首を振ると、

死んだはずのハチがピョーンと弾け飛び、

弧を描いて地面に落下したのだった。

そして地面の上で腰をクネクネと動かしている。

なんとハチは生きていたのだ。

 

(うっそーーーーー!!!) 

 

私が生れて初めてアシナガバチに刺された瞬間だった。

しかし刺されたことよりも、

ハチが生きていたことの方が私には大きな驚きなのであった。

何度も言うけれど、ハチは本当にピクリとも動かなかったのである。

間一髪、私は危うくハチを生き埋めにするところだったのだ。

 

(良かったー、気づかせてくれて。本当にごめんね。)

 

完全なる正当防衛のハチに、私は心の中で謝りながら、

刺された箇所をムンギュと右手の指で絞り、

蜂毒の排除に精を尽くしたのであった。

そして流水で患部を洗うと、

消毒薬の代わりに酢を掛けてハイ、終了。

これできっと大丈夫なのだ。(*あくまでも私の場合)

その夜はほんの少しだけプクッと腫れたけれど、

翌日には腫れも引き、3日後にはきれいに治ったのである。

 

刺したハチはその後、見失ってしまったけれど、

きっとあの後すぐに死んでしまったのだと思う・・・。

ごめんね。

 

ハチに刺されてから間もなくのこと、

何気なく見ていたネットニュースに、

「ジョウゴグモ」という蜘蛛の猛毒が、

脳卒中による脳細胞の壊死を防げるかもしれないと書いてあった。

それならば、と蜂毒について調べてみたところ、

やっぱり書いてあった!

ガン細胞を効率的に破壊することが科学的に証明されていると。

しかも現在日本でも行われている蜂針療法は、

実は古代エジプト時代から存在していたというのだ。

血流の流れを活性化させたり、

免疫力を高めたりすることができると考えられていたようだ。

 

なんだかものすごく貴重なものを頂いたような気がして、

じんわりと嬉しくなってしまった。

もちろんハチの種類によっては、

アレルギー物質を含んだ蜂毒を持っているので要注意だ。

けれど私は今回の出来事を、全面的にポジティブに捉えている。

なぜなら蜂毒に含まれる数々の神経伝達物質のお陰で、

体中の細胞がプチプチと活性化したように感じるからだ。

 

物は考えよう。

病は気からというぐらいだから、

健康も気からやって来るに違いないのだ。

 

 

どうしてハチが寄ってくるのか、

その理由は分からないけれど、

せっかく来てくれるのだから、

これからもずっと仲良くしていきたいなと思う。

そして身近にいすぎて気づきにくい、

ハチ以外のどんな小さな命とも、

私はずっと仲良く暮らしたいなと思うのだ。

 

ほら、時にはこんな恩恵だってあるのだから。

 

 

 

・・・つづく・・・

 

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