胡瓜と茄子にまたがって 〜精霊馬〜 vol.158

  • 2017.08.13 Sunday
  • 20:20

JUGEMテーマ:エッセイ

 

今日は8月13日。

ほとんどの地域で迎え盆にあたる。

お盆の間、家で共に過ごすため、

ご先祖様や故人の御霊をお迎えする日。

 

そんな迎え盆の朝、または前夜に作る精霊馬。

子供の頃の私には、その意味が分からなかった。

胡瓜と茄子に割り箸を差して、

なぜ馬と牛を作ってお供えするのか。

なぜ大の大人が食べ物で動物を作るのか。

子供の私には分からなかったけれど、

敢えて聞くこともしなかった。

そのうちにそれはお盆の景色の中に、

当たり前のように溶け込んでしまったのだった。

 

そして大人になってその意味を知った時、

私は死して尚、子孫に敬われ大切にされる日本のご先祖様は、

なんてお幸せなのだろうと、深く感動してしまったのだった。

 

胡瓜で作った馬には、

早く帰ってきてほしいという願いが込められ、

茄子で作った牛には、

ゆっくりと帰ってほしいという思いが詰まっている。

 

 

私の祖父母のお墓は遠い北国のはずれにあり、

もうずいぶん長いことそこへは行っていない。

だから毎朝ご先祖様と祖父母にお茶を沸かし、

感謝の気持ちを伝えることが、

私にとってのお墓参りになった。

 

その反動だろうか、

私はいつの間にかお盆の風習を、

とてつもなく誇りに思うようになっていた。

地域によって形は様々ではあるけれど、

この風習は永遠に続くべきものだと、

心から強く願うようになっていたのだった。

 

私が今住んでいる地域では、

迎え盆の夕方にお墓で迎え火を焚き、

提灯を灯しながら御霊を家までお連れする。

その光景に出会うたびに、私の胸は熱くなるのだ。

 

久しぶりに我が家へ帰ったご先祖様たちは、

今頃この一年を振り返り、

家族と語り合っているのだろうか。

美味しい物でも頂きながら、

これからの一年を希望で膨らませているのだろうか。

 

日本古来の風習には、

とめどなく愛が溢れている。

そんな日本古来の風習に、

ただただ優しさを感じるばかりである。

 

 

 

・・・つづく・・・

 

 

コメント
コメントする








    

calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< March 2020 >>

 

selected entries

categories

archives

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM