ポアンカレ予想 vol.79

  • 2017.01.31 Tuesday
  • 03:25

JUGEMテーマ:エッセイ

 

「ポアンカレ予想」とは、「ミレニアム懸賞問題」の1つである。

「ミレニアム懸賞問題」とは、

アメリカのクレイ数学研究所が2000年に発表した、

数学上の未解決問題7つのこと。

これらの問題を1つ解決すれば、

100万ドル(約1億1000万円)の懸賞金が貰えるのだ。

 

ポアンカレ予想は1904年にフランスの数学者、

アンリ・ポアンカレによって提出された定理のことだ。

しかし世界中の数学者たちが、

1世紀を費やしても証明できなかった超難題だ。

 

それが2002年11月11日、遂に証明されたのだ。

若干36歳のロシア人数学者 グレゴリー・ペレルマンによって。

 

実は私は数学が大の苦手だ。

だからポアンカレ予想そのものには興味がない。

私が気になるのは、グレゴリー・ペレルマンという人物そのものなのだ。

 

彼の証明は世界中に称賛され、

数学界のノーベル賞と言われるフィールズ賞を受賞したほどだ。

にもかかわらず彼はそれを辞退し、

その後クレイ数学研究所がミレニアム賞と、

賞金100万ドルを授与すると発表するも、後にやっぱりこれを辞退した。

理由として、「数学界の不公平さに対する異議」などを挙げているけれど、

本当の理由は彼にしか分からない。

 

グレゴリー・ペレルマンは2005年12月に、

ロシア・サンクトペテルブルクの数学研究所を退職すると、

研究の世界から忽然と消えてしまったのだ。

 

世間は彼を変人とか気が狂ってしまったと表現するけれど、

私はそうではないと思うのだ。

子どもの頃から天才的に数学の難問を解き続け、

数々の栄誉ある賞を受賞していたグレゴリー・ペレルマン。

(ほとんどを辞退しているが・・・。)

驚異的な頭脳を持つ彼は、遂に知ってしまったのではないだろうか。

人間が決して知ってはならないことを。

別の言い方をすれば、人間が何千年も前から求めてきた真理の核を、

彼は見つけてしまったのではないかと思うのだ。

だからもう難題を解く理由も、100万ドルというツールも、

彼には必要なくなってしまったのだ。

悟りを開くと、人はどんどん身軽になろうとする。

 

グレゴリー・ペレルマンが小学生の頃、唯一解けなかった問題は、

聖書の中のイエス・キリストが、

どうやって水の上を歩くことができたのかということだったそうだ。

そしてどうやら彼は、それを解決したようなのだ。

 

 

世間から姿を消してしまったグレゴリー・ペレルマンは、

現在はスウェーデンに移住してひっそりと研究を続け、

時々、森へキノコを採りに行くという生活を送っている。

 

世論がどんなに彼を変人扱いしても、

私にとって、それは理想の生き方だ。

死ぬほど没頭できるものがあって、自然に愛された日常を送り、

そして誰にも迷惑を掛けてはいない。

 

彼は毎日がとても幸せに違いないのだ。

神様から与えられるお題に、朝から晩まで取り組むことができ、

前に進んでは立ち止まり、後ろに下がってはまた進む。

頭脳明晰であるが故に、神が創り賜うたこの世の謎に、

狂うほどに苦慮していることだろう。

けれどそれをどこかで楽しんでいるグレゴリー・ペレルマンの姿もまた、

私の心に浮かんでくるのだ。

天才数学者、グレゴリー・ペレルマンの笑顔が。

 

 

 

・・・つづく・・・

 

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